次回の開催は6月を予定しています。

『世界一子どもを育てやすい国にしよう』

『世界一子どもを育てやすい国にしよう』

子ども食堂というボランティア活動を約3年前から行っています。その活動を通して感じたことは、「この国は子どもに冷たいな」という事です。こんなにも困りごとを抱えている子どもが地域にいるのに、大人たちは無関心か自分のことで精一杯なのか。とにかく「高齢者に優遇し過ぎていないか?」と疑問を投げかけたくなります。子どもの貧困問題に関心を持ってから、病児保育などに取り組んでいる駒崎弘樹さんを知りました。言わずもがな出口治明さんはライフネット生命を創業された方ですので、尊敬するビジネスパーソンとして存じ上げています。その二人が、そして男性が子育てについて書いた本であったので本書を手に取りました。

「人間は動物です。動物の根源的な役割は、次の世代のために生きることです。だから、赤ちゃんを産みたいときに産めることが、何よりも素晴らしい社会だと思うのです」と冒頭で持論を述べています。この一文が本書のことを表現していると思います。

現在の日本は超高齢化社会に突入し、今後も高齢者率は高くなると予想させています。だから政治家はどうしても「高齢者を優遇しよう」と考えてしまう。選挙で票が取りやすいですからね。ましてや若者層(20代・30代)の投票率は低いですから。だったら「どの世代に良い顔をするか?」、その行動原理も理解はできます。だからといって「今が良ければいい」と言う考えでは、これからの時代を担う子どもたちに失礼ではないでしょか?私たち大人は、子どもたちに明るい未来を残すべきだと考えます。そう赤ちゃんを産んで安心して育てられる社会、女性の差別を是正して活躍できるために構造を変えることが望ましい。私も一人娘がいるので、彼女のためにもそんな社会を築いてあげたいと考えています。

「(中略)大切なのは、子どもの数を増やすことではなく、幸せな子どもを増やすことだ。そのためには、幸せな母親を増やさなければならない。」と。そう日本には男女差別があります。各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(2017)※1では、日本の順位は144か国中114位(本書記載は2015年のデータで145か国中101位)でした。もはや後ろから数えたほうが早いという、先進国として恥ずかしい評価です。私は今まで仕事をしてきた経験により、約8年前から「女性の方が仕事ができる」と考えるようになりました。だから女性にはもっと社会で活躍して欲しいと望んでいます。だって例えば娘が社会人になった時に、今と相変わらずに男女差別が存在していたら。そんな社会を変えられなかったことに、親として心が痛むし不甲斐なく思うでしょう。

本書の副題には「ひと世代で世の中は変わる。子どもの問題は必ず解決できる。」とあります。その一例として「保育園落ちた日本死ね!」のブログを挙げています。匿名のお母さんのブログから始まり、その3ヶ月半後に保育士の処遇改善が明記された「ニッポン一億総活躍プラン」が成立しました。そう社会に対しておかしいと思ったら、声を上げれば変えることができる。これは私達にとって大いなる成功体験です。本書は「必ず社会を良くできる」と気付かせてくれた良書でした。

※1[出典]内閣府女共同参画局『世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2017」を公表』
http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/
2017/201801/201801_04.html